「動かないで祐巳。」
祥子様は祐巳の前に立つと、ロザリオを頭のサイズに広げ、祐美の頭に通そうとする。祐巳はただ困惑していた。
”祥子様! 私なんかが祥子様の妹に…… でも祥子様は私の事なんて覚えてなかったし……”
喜びから途端に転落していく百面相を観察する白薔薇さまは楽しそうであった。
だが、そんな神聖な儀式を目の前にしても邪魔が………
なぜなら、それは由乃さんだからです。
「動かないで令ちゃん!」
由乃は自分の胸元からロザリオを取り出すと、机に突っ伏せ埋まり続ける令さまに向け、ロザリオを振りかぶり、心臓が弱いにもかかわらず、それは見事なマサカリ投法で令さまに投げつけたのであった。
「由乃ぉ……。」
後頭部に刺さるロザリオからはプシュプシュと血が噴出しており、とある意味で神聖な雰囲気でした。
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