「ご希望なら皆様方の前で、儀式をしても構いませんけれど?」


黄薔薇姉妹のやりとりに一切気をやることもなく、祥子様は紅薔薇さまへ返答を返している。


祐巳はただそれを眺めるのみであったが、内心は祥子様お姿に惚れ惚れだったに違いない。


顔が緩みきっている。つくづくの百面相であった。


だが、ここでも流れを断ち切る黄薔薇の姉妹が……なぜなら、それは由乃さんだからです。


「ご希望なら皆様方の前で、島津流奥義ロザリオ返しをしても構いませんけれど……?」


由乃さんは楽しそうにテーブルに顔を伏せる令さまに笑いかけるが、


「由乃ぉ……。」


令様の頭は木製テーブルにずべしゃぁと埋まっていく。


あっ、血が出てる……。

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